常用漢字追加と削除

常用漢字に追加される漢字が200ほどあるとかで新聞等で発表されている。一方で削除される漢字もあるそうです。私が仕事で関わっている「銑(金編に先)」も削除されるそうです。たたら製鉄(「もののけ姫」の世界ですね)でちょっと調べてみるとわかるのですが、
ずく(づく)=銑と言われる、最初に炉から出てくる溶鉄(炭素分が1.6%以下程度の鉄)を包丁などに用い、
けら=金編に母 と言われる、たたら炉に残る鉄のかたまりから玉鋼と呼ばれる鋼を取り出す。これは刀の材料として使われてきた。
ということで、かなりはしょりましたが、銑という字は歴史ある字であります。また現代製鉄プロセスに於いても、銑鉄(=炭素分4.5%程度飽和の溶けた鉄)は欠かせないものです。その字が常用でなくなることは個人的には残念至極であり、使いにくくなるなあと思う訳であります。
ちなみに会社入社直後に新高炉の立ち上げをしたことがあり、できたてほやほやの銑鉄というのをいただいたことがあります。すでに何年も経ちますが、ほとんど錆びていません。安産のお守りだそうです。(高炉は女性に例えられることが多いことからと思われます。)